月刊 剣道日本 2019年9月号

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真摯に求めたい「剣道の価値」

剣道が日本文化たりうる「道」であるために、
そして、次世代にその伝統をつなげるために、
新生・剣道日本は、「剣道の価値」を真摯に求めていきます。

2019年9月号──No.513

今月は2大特集『剣道具の大事な話』&『課題の力で剣道再発見』
付録DVDでは『令和元年度全国警察選手権大会』を映像として紹介する。

【特集1】
剣道具の大事な話

剣道をするうえで、また、剣道の発展を支えてきたうえで欠かせないのが剣道具。
長い歴史のなか、たくさんの作り手が“身を守る防具”として質の向上に努め、
使い手が喜ぶような工夫を凝らしてきた。情熱とアイデアが注ぎ込まれた剣道具──。
なんでもが当たり前のように手に入る時代ではあるが、剣道の世界の人々は、
日本人が長くそうしてきたように、ものを大切にする気持ちをつねに心に宿しておきたいもの。
そんな感性が広く浸透するためにも、剣道具についての今と昔の捉え方や考え方を改めて紐解いてみた。

【王者の愛する剣道具】
宮崎正裕(神奈川県警)・髙鍋 進(神奈川県警)

同じ神奈川県警に所属し、
ともに現役時代は全日本選手権大会では連覇。
八段、七段となった今なお、それぞれのステージで日本の頂点を極める師弟2人。
王者はいったいどのような剣道具を求めるのか。
自身のこだわり、思い入れのある貴重な剣道具を紹介してもらった。

白道着、白袴、白防具をまとって日々稽古

【農大三高、“白”への思い】
埼玉県の私立東京農業大学第三高校。通称農大三高の女子剣道部員は、白の稽古着・袴に白の防具を着装して日々の稽古に臨んでいる。もちろん試合に出場する際も白一色。その凛々しさ、カッコ良さに憧れて入学を希望してくる生徒もいるという。“白”にこだわる理由とは──。農大三高を訪ねた。

故郷に帰った
三分割できる小川金之助の胴

範士十段小川金之助が残した竹胴は、三つに分割できるようにしつらえられている。持ち運びやすいように作られたその胴は生まれ故郷の体育館に保管され、不世出の剣士と薫陶を受けた人々の思い、そしていにしえの職人の魂を今に伝えている。

80年前の独伊使節団で身に着けた胴

岡山市西大寺で、80年前につくられた胴が残っていた。石原忠美範士が使い続けていたその胴は、第二次世界大戦の際につくられたもの。胴台の模様はすっかり削られているが、それがかえって歴史の重みを感じさせる。

剣道具の今を知る
新素材でここまでできる

【栄光武道具(株)◆間所義明】
剣道具の歴史は深くて長いゆえに、そもそも用いられてきた素材の希少価値は高まってきている。その反面、目まぐるしい発展を遂げてきているのが科学の粋を集めた新素材だ。新素材の研究、工夫に意欲的な取り組みを見せるのが、埼玉県越谷市に本社を構える栄光武道具(株)。商品開発の中心人物・間所義明氏の話から剣道具の今を知る。

馬場欽司が語る防具と着装

連載でもおなじみの馬場欽司教士が、自身の防具にまつわる思い出と、着装に関しての剣道界への提言を述べる。かつて製作を依頼した名匠・三枝弘煕氏とのエピソード、また、自身の胴に、蒔絵職人ならぬ玄人はだしの漆画を描いたエピソードは実に興味深い。着装に関する提言もうなづけるものばかり。絶対にほどけない胴紐の結び方など、実用的な話題も盛りだくさん。

剣道具を愛し、剣道具に愛された古の達人たちの剣道観

【椎名市衛のちょっと過激な私見】
やはり連載でおなじみの椎名市衛氏が、かつての名人たちが、いかに剣道具に接してきたかをひもとく。名人たちが、長くとった竹刀の柄を多彩な技に活かしたその合理性。長い面垂れでも邪魔にならなかった振りかぶり方の根本技術。良い道具、良い技を得ようと惜しまず求めた精神性。──提示された今と昔の考え方の違いは、剣道のあり方を見つめ直す材料になる。必見!

新規則ではここが変わった

【解説=清野忍(剣道教士八段、全日本剣道連盟試合・審判委員会委員兼幹事)】
今年4月から、「全日本剣道連盟試合・審判規則及細則」に改正が加わった。改正となったのは「剣道用具」に関する部分。新たに加わった部分を紹介するとともに、改正の要旨や目的について、改正に関わった清野忍氏(試合・審判委員会委員兼幹事)の話をもとに検証していく。

剣道具は勝つための道具ではない

【関正二(ミツボシ)】
全日本剣道連盟の試合・審判規則において、竹刀と剣道具(防具)に関する規則が改正された。当然剣道具業界でも、その規則に合致する対応をしている。剣道具業界はどのように受け止め、どう対応しているのか、そもそも規則改正を行なわなければならなかった背景は何か。剣道具製造販売の大手(株)ミツボシにおいて30年以上に渡り剣道具販売に携わってきた関正二さんに聞いた。

どこで作られ、どのようにして私たちの手元に届くのか?

【解説=和田崇】
2010年代半ばに実施した現地調査などをもとに剣道具の生産・流通の実態を報告する。

【特集2】成功者の実例集
課題の力で剣道再発見

目標を定め、見据えた未来に向けて努力する。
成功への近道となりうるかは別として、設けた“課題”はその人の意志や情熱から発せられたものであり、
取り組みの一つひとつ、一回一回が、“希望”を刺激しながら、やがては生きざまという塊を形成し、大きな力へといざなってくれる。
昇段に向けた課題、剣理の追求のための課題、勝利への課題、達人になるための課題、人生を豊かにするための課題──。
課題をもった愉しみ方を、成功者たちに聞いた。

【若手八段対談)】魂は在野にあり
若林耕多(埼玉)×東倉雄三(神奈川)

民間企業に身を置きながらも日本最難関の八段審査に合格した2人。
東倉雄三さんは2018年5月に初受審にて合格。
若林耕多さんは今年(2019年)5月に5回目の審査で合格した。
若手八段にして、実業団剣士でもある2人が、竹刀を交え、そして語り合う。

93歳 二刀剣士・弘中聖規の飽くなき求道心

剣道歴80年、93歳にして今なお現役。剣道教士七段、居合道範士八段。山口県下関市在住の弘中聖規さんは、現在も、自宅の隣にある道場(弘武館道場)に立ち、後進の指導とみずからの修業に明け暮れる日々だ。85歳から始めたという二刀によって新たな課題も生まれ、その克服にも余念がない。日々是好日。ただひたすら、ありのままに生きる。剣の道を愉しみながら過ごす日常の一端を垣間見せていただいた。

eスポーツと武道の相似形

【世界の元トップゲーマーが悟達した究極の武道論】
eスポーツと武道との間に、果たしてどういった共通点があるのかと、おそらく訝る人も少なくないのではないだろうか。ここに世界ランキングトップ10にまで上り詰めた後、そこで得たさまざまな教訓を武器に、武術の世界に転身してきた人物がいる。歴史家・作家である加来耕三氏が絶賛する「真仙明」氏が悟達したという究極の武道論とは。

神奈川・つきみ野中学校の部員が減らない秘密

【~指導者の思い・中学生のホンネ~】
「神奈川県に部員数が減らない中学校がある」という。その名は大和市立つきみ野中学校。剣道部員は現在32名。学年にもよるが、経験者より初心者の入部が多いとのこと。その秘密を探る。

剣道が導いてくれた研究者への道

【 “活人剣”たるゆえんを立証】
剣道の楽しみ方、関わり方はそれこそ千差万別だ。ここに幼少期から大学まで、まさに文武の道を一心不乱に突き進んできたという実践者がいる。ケガによる影響で、大学卒業後は研究者の道へと進んだが、剣道で培った訓えは今も不変だという。気鋭の研究者、牛山潤一氏(慶應義塾大学環境情報学部 准教授)にお話しをうかがった。

剣道の楽しみ方と広め方

【CSテレ朝チャンネルの裏側から探る】
トップレベルの剣道大会がテレビで観られる!多くの剣道ファンの夢を実現してくれたのはCSテレ朝チャンネル。
放送される各大会では、剣道の魅力をより広く世の中にアピールするための分かりやすい実況、解説が好評だが、そんな主音声に負けず劣らずの豪華なメンバーが揃うのが副音声。

学生王者の課題と実践

【全日本学生選手権者・星子啓太が掲げてきた課題・全日本女子学生選手権者・小松加奈が掲げてきた課題】
男女学生日本一に輝いた実力者に日々の課題と取り組みを聞いた。

付録DVD

【収録時間90分!】
令和元年度全国警察選手権大会

全日本選手権大会覇者、世界選手権大会日本代表など、日本剣道界のトップ選手が数多く参戦する全国警察選手権大会。
CSテレ朝チャンネルの映像協力のもと、令和のはじめの警察選手権大会、男女上位14試合を収録!
警察剣道ならではの緊迫感あふれる一本勝負は必見だ。
ハイスピードカメラだからこそ撮影できた各試合の決まり手をスーパースローで再生収録。
世界最高峰の試合技術を見よ!

大会

全日本学生剣道選手権大会
(男子・女子・東西対抗)

学生個人日本一を争う大会は男女ともにベスト4の3枠をひとつの大学所属の選手が占めた。
筑波大学(男子)、明治大学(女子)の上位進出者3人の談話とともに熱戦の模様をリポート。

第11回全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会

5人制一般の部には253チームがエントリー、3人制女子の部には78チームのエントリーがあり、これは両部門ともに前年より増加。令和初の関東実業団大会が日本武道館で盛大に開催された。

第56回近畿実業団剣道大会

近畿実業団に所属するチームが集い、覇を競い合う。全国的に名を馳せる強豪パナソニックLS社ら注目チームの戦いぶりを追った。

連載

秘伝の技
田中知一 範士九段

【「運・鈍・根」を信じて】
語る人=楢崎武司。
「突きの名人で、打っても打っても先生の剣先が喉にあるんです。
迎え突き。昔の先生は刺し面はなく、上から打ってくる。
武専の剣道そのもので、打つときは大きく、大技でグアッと打ってくる。
今はチョンチョンですが、昔の先生に教わっただけでも感謝です」

実践! 剣道プロジェクト
〜剣道継続率向上のために〜

【剣道プロジェクト×保育園】
今回、剣道プロジェクトは大阪府寝屋川市にある打上保育園の剣道の時間に参加した。21年間にわたって週に一回、全園児を対象に行なわれている取り組みである。剣道の素晴らしさ、かっこよさ、楽しさを、もっと子どもたちに伝えたい!そんな想いを胸に子どもたちと剣道を通して交流した。

山田博徳のワンポイントクリニック

【右手による無理・無駄のない軌道】
横から回し込んで打つような面や小手。それらは剣道の基本の技ではない。左手は正中線から外さず、右手は打突部位の方向に向けて運んでいく。今回は、そんな基本動作を磨くためのコツを披露!

刀剣女子への一本道
(スポーツ記者・飯塚さきがゆく)

【滋賀県・佐川美術館を訪ねて】
滋賀県守山市にある佐川美術館では7月10日から「名刀は語る 美しき観賞の歴史」と題された刀剣の展示が始まった。刀剣展示を行なうに至った経緯や工夫を凝らした点などを、学芸員の藤井康憲氏にうかがった。

【マンガ】Kodomo剣道教室

第9回は「攻め」ってナニ?」

K word〜ワンポイント剣道英会話〜

外国の剣士との触れ合いを楽しむために。ニューヨーク在住の濱崎真美さんによるワンポイントレッスン。外国の剣士との触れ合いを楽しむために。「 どちらの道場出身ですか?」ってなんて言う?

剣日アーカイブ

【私のプライベートタイム】
『剣道日本』昭和56年(1981)1月号より
玉利嘉章範士九段(今月号の表紙の剣士)
【 小さん雑談 いやご無礼】
『剣道日本』昭和51年(1976)9月号より
鈴木幾雄範士八段

剣道女子

多多様な価値観にあふれるこの現代社会において、日本古来の武の道を歩む人たちがいる。厳しい稽古で日々己と向き合い、凛とした雰囲気をまとう剣士たちが剣道の魅力を語る。第9回はSNSで話題の武道家が登場。剣道女子は美しい!

【コラム】永井荷風
剣道のある風景④

【文=時見宗和】
読書と思索とは剣術使の毎日道場にて竹刀を持つが如く。悲哀と切なさに満ちた文豪の人生を切り取った秀逸コラム。

突撃! となりの剣道人

小誌の購読者にインタビュー。6回目は東京でクリニックを営む傍ら稽古に励む八島真彌さん。